おせち(御節)料理は、正月料理です。
年神さまに捧げる供物としての料理が「おせち」の始まりです。
料理のひとつひとつは、日持ちする物が多くなっていますが、年神さまを迎えて共に食事を行う正月の火を聖なるものとして、神と共食する雑煮を作るほかは火を使う煮炊きをできるだけ避ける、という風習に基づくものです。
また、家事から女性を解放するためという要素があると言われています。
日本の食文化が多様化し、食品の保存技術も進んだため、生ものや珍味のほか、中華料理、西洋料理など多種多様な料理を重箱に詰めて供することも多くなっています。
おせち料理は日本の懐石料理と同じくコース料理のようになっており、大きく分けて5種類に分類されます。
- 祝い肴
- 口取り
- 焼き物
- 酢の物
- 煮物
おせち料理は重箱に詰めるのが一般的で、幸せを重ねるという想いが込められています。
「四段重」が一般的です。
また、ひとつひとつの料理には「縁起担ぎ」の意味があります。
- 黒豆:黒く日焼けするほど達者に働けるようにと邪気を払い、長寿と健康を願う
- 数の子:子孫繁栄を願う
- 田作り:五穀豊穣を願う
- たたきごぼう:家の基礎が強固であることを願う
- 紅白かまぼこ:赤色は魔除け、白色は清浄を意味し、「おめでたさ」を表す
- 伊達巻:知識が増えることを願う
- きんとん:金運を願う
- 紅白なます:平安や平和を願う
- 鰤の照り焼き:立身出世を願う
- 車海老煮物:長寿を願う
- 煮蛤:夫婦円満を願う
- 昆布巻き:子孫繁栄を願う
- 筑前煮:末長い幸せを願う
代表的なものを「祝い肴三種」といって、この3品(とお餅)が揃えばおせちの形が整い、お正月が迎えられるとされているメニューがあります。
- 黒豆
- 数の子
- 関東:田作り、関西:たたきごぼう
お正月に食べるおせち料理、ひとつひとつの料理にどんな想いが込められているかを感じながら食べるとより美味しくいただけると思います。