浦島太郎

卒業や就職、結婚など、人生の節目を迎えると、ここまで自分を育んでくれた多くの人の「恩」を思い起こします。
その恩を返すのは「恩返し」ですが、似たようで違う「恩送り」という言葉があるのをご存じですか?

日本語には「恩」を使った言葉があります。
「恩返し」は親切にしてくれた相手に直接お返しすること。
「恩を売る」とは、見返りを期待して親切にすること。

誰かから親切や善意を受けたら、それを相手に返すのではなく、他の誰かに渡していくのが「恩送り」です。
受けた恩を直接その人に返すのではなく、別の人に送る。
恩を送られた人はさらに別の人に渡す。
そうして恩が循環するようになると、社会に正の連鎖が起きてくる、という考え方です。

「恩返し」は、実は簡単にできるものではありません。
親や恩師への「恩返し」は、成長した自分の姿を見せることが何よりですが、長い時間が必要です。

相手を限定しない「恩送り」なら、今のあなたで小さなことから始められますし、短い時間でもできます。

「他の人から親切にしてもらった恩を、直接その人に返すのでではなく、別の人に返すこと」の意味の「恩送り」ですが、英語にも同じような表現があり「Pay it forward」です。

ひとりの人が3人に何か善いことをします。
善いことをされた3人が、またひとりひとり他の3人に善いことをします。
3人が9人に、9人が27人に、27人が81人に、81人が243人に・・・どんどん増えていって「善意の連鎖」が起きます。
その結果、世界がよりよく変わるという考え方です。

「上司から受けた恩は、部下に渡せ」

ビジネスパーソンの方ならば、一度は聞いたことのある言葉だと思います。
自分が蓄積してきた知識や技能を、次の世代へ伝承していくことが「恩送り」になります。

一燈照隅・萬燈遍照(いっとうしょうぐう・まんとうへんしょう)

各々が一燈となって、一隅を照らすこと。
ひとりひとりが自分かいる今瞬間のその場を照らす。
こういう「同志」が十万、百万となれば、外側の環境も変わるかもしれない。

そのために必要なことがひとりひとりが生きる目的である「志」なのです。
「志」とは、あなたが生きる目的であり、存在意義とも言えます。
あなたの生きる目的は、明確ですか?


アメリカ合衆国の作家、文筆家である、ダニエル・ピンク(Daniel H. Pink)の動画にヒントがあると思います。



サスティナブルとは、「持続可能な」という意味です。
SDGsで伝えていることではありますが、古来日本の価値観に当たり前のようにあったと思います。
現在は未来からの借り物であり、より善くして次世代に返す。
私たちの先祖が当たり前のように行ってきたことこそが「恩送り」なのではないでしょうか?