端午の節句

節句(せっく)は、古代中国の陰陽五行説を由来として日本に定着した暦のことで、伝統的な年中行事を行う季節の節目となる日です。

年間にわたり様々な節句が存在しており、そのうちの5つを江戸幕府が公的な行事・祝日として定めました。
1873年1月4日に廃止となり、その後、1948年7月20日公布・施行の「国民の祝日に関する法律」によって「端午の節句」のみ「こどもの日」の名称で祝日となっています。
縁起のよい奇数の重なる日となっています。

  1. 人日(じんじつ):七草の節句:1月7日
  2. 上巳(じょうし):桃の節句:3月3日
  3. 端午(たんご):菖蒲の節句:5月5日
  4. 七夕(しちせき):七夕(たなばた)の節句:7月7日
  5. 重陽(ちょうよう):菊の節句:9月9日

人日(じんじつ):七草の節句:1月7日

七草粥

1月7日の朝に「春の七草」(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)の入った「七草粥」を作り、ようやく芽吹いた春の七草の「気」をいただき、1年の無病息災を願って食べます。

中国では正月7日に人を占ったことから「人日の節句」と呼ばれます。

上巳(じょうし):桃の節句:3月3日

お雛さま

誕生した女児を祝福し、健やかな成長を願う、親から子、孫への愛情の節句です。
雛人形を飾り、菱餅や桃の花も添えて、ちらし寿司や、白酒などで宴を催します。

3月初めの「巳みの日」を上巳といい、人の形に紙を切り抜いた「ひとがた」で体をなでて、けがれを落とし、海や川に流す「祓(はらえ)」の行事でしたが、「ひとがた」が次第に豪華になり、現在のひな人形となっています。

端午(たんご):菖蒲の節句:5月5日

鯉のぼり

誕生した男児を祝福し、健やかな成長を願う、親から子、孫への愛情の節句です。
魔よけのためにお供えする菖蒲の花と尚武(しょうぶ)とをかけて武者人形を飾り、次第に男の子の節句として広まりました。
「鯉のぼり」には、立身出世を願う想いが込められています。

七夕(しちせき):七夕(たなばた)の節句:7月7日

七夕

古くは「御霊(みたま)」の衣服を織り、棚に供え、けがれを祓う行事でした。
中国から星祭と手芸や裁縫の上達を願う祭の風習が入ってきて、現在の笹竹に願い事を書いた短冊を結びつけて祈る行事へと変化しています。

重陽(ちょうよう):菊の節句:9月9日

菊

中国から伝わった「重陽節」が江戸時代に入り五節句のひとつとなり、庶民の間に広まりました。
菊酒を飲み、菊の被綿(きせわた)に溜まった露で体を拭い健康と長寿を願います。

縁起の良い奇数(陽数)の最大値「9」が重なることから「重陽」と呼ばれます。
この時期は各地で菊まつりが行われています。


人生や季節の節目を大切にしていた先人たちの生活。
節目に生きていることを感謝していた風習が伺えます。