「もったいない」は「物の価値を十分に生かしきれておらず無駄になっている」という意味で使います。
英語での「wasteful」と同じような意味ではありますが、自然や物に対する敬意、愛などの意思が込められている言葉です。
海外でも「MOTTAINAI」として少しずつ広まっている言葉であり、価値観です。
今回は、食料自給率と食品ロスを通じて「もったいない」についてお伝えします。
日本の食料自給率
食料自給率とは、食料供給に対する国内生産の割合を示す指標です。
日本では、
- 供給熱量(カロリー)ベース
- 生産額ベース
の2通りの食料自給率を算出しており、
通常使用しているのは「供給熱量(カロリー)ベース」の食料自給率です。
日本でこれまでに主として食してきたものは、主食の米をはじめとして野菜類や魚介類です。
特別な時に肉を食べていた食文化があります。
よって、牛肉・バターなどの肉製品や乳製品は生産量が少なく輸入頼りになりますので、供給熱量(カロリー)ベースでの食料自給率は低くなります。
1965年からの食料自給率の推移は次のとおりです。
年々数値は下がってきています。
ところが、食品ロスについても考慮する必要があります。
日本の食品ロス
食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄される食品のことです。
日本では、年間25,500,000tの食品廃棄物等が出されています。
このうち、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は6,120,000tです。
これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量(2018年で3,900,000t/年)の1.6倍に相当します。
「もったいない」と思いませんか?
「食品ロス」については、2015年9月に国際連合で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で定められている「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals:SDGs)のターゲットのひとつに、2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体のひとり当たりの食料の廃棄を半減させること等が盛り込まれ、近年、国際的にも関心が高まっています。
「もったいない」は、自然や物に対する敬意、愛などの意思が込められている言葉です。
もう一度「もったいない」とはどんな想いが込められている言葉なのかを感じてみることが大切だと思います。
「生きとし生けるもの」とは「この世に生きているとされるもの全て」のこと。
私たちの生活に食料は必要不可欠ですが、「もったいない」を意識することが必要なのかもしれません。