日本学,箸,Japanology University

日本の食事作法は独特で、次のような特徴があります。

・感謝して食べる、感謝して食べ終わる
・茶碗を持って食べる
・箸を使う際の作法が細かい


1.感謝して食べる、感謝して食べ終わる

はじめに「いただきます」と感謝をして食事を始めます。
「いただきます」に込められた想いは「感謝」です。
「(食べ物に対して)あなたの命を『いただきます』」との感謝の他に、食事の提供者や農業・労働・調理にかかわった人への「感謝」も入っており、主語を特定することは難しく、他言語で適切な表現がしづらい言葉です。
食事が終わった際には「ご馳走さま」と感謝します。
「馳走(ちそう)」とは、「走りまわる」「奔走(ほんそう)する」ことを意味します。
心をこめた(食事の)もてなしや、命をいただいたことへの感謝を示しています。


2.茶碗を持って食べる

日本ではかつて卓を使って食事する習慣がなく、箸を使用すること、また畳の上に正座して低い膳を使用していた歴史から、茶碗を持って食べる文化があります。
ご飯茶碗や味噌汁の椀などを手で持たずに食べたり、皿に身を乗り出して口が料理を「迎えに行く」ことが「犬食い」と言って無作法とされます。
姿勢を正しくして、落ち着いて味わうことも意図のひとつです。


3.箸を使う際の作法が細かい

日本における箸は、魂が宿ったものとされています。
「礼節」を持って、食べものと向き合い、ご飯の一粒にいたるまで大切に扱う、という精神の表れです。