12月25日はクリスマス。
イエス・キリストの降誕祭です。
西暦325年の第1ニカイア公会議において、キリストの誕生を祝う日について議論され、冬至に当たる12月25日が「誕生を祝う日」として決定されたものです。
「降誕を記念する日」であり「イエス・キリストの誕生日」ではありません。
古代ローマの宗教のひとつミトラ教では12月25日は「不滅の太陽が生まれる日」とされ、太陽神ミトラを祝う「冬至の祭」がありました。
この「冬至の祭」が起源とされています。
クリスマスには主に家族と過ごし、クリスマスツリー(常緑樹で、一般に樅(もみ)の木)の下にプレゼントを置き、プレゼントを贈る気持ちである「愛」の日でもある、とされています。
常緑樹が使われるのは、冬の間も緑を保つため、強い生命力の象徴とされているからです。
ちなみに、クリスマスツリーはキリストとは関係がありません。
原型は北欧に住んでいた古代ゲルマン民族の「ユール」という冬至の祭で使われていた樫の木です。
さて、なぜ題名が「クリスマスと神道」となっているのでしょうか?
実は、名称は違いこそすれ、同じようなことを行っているのです。
神道には、神籬(ひもろぎ)・磐座(いわくら)信仰という自然崇拝があります。
命や自然に対する感謝や畏怖・畏敬から、土地にある象徴的なものを、木に限らず神体としています。
また、お正月には家の門の前などに立てられる松や竹を用いた正月飾りである「門松」を飾ります。
年神様がお正月に訪れるための目印や依り代(よりしろ)として、家の門や玄関などに飾られるようになった正月飾りのことです。
「松は千歳を契り、竹は万代を契る」と言われ、松と竹で永遠の繁栄を願います。
「クリスマスツリー」は、常緑樹の樅(もみ)の木に「サンタクロース」という「神」がやって来ます。
同じように「門松」には「年神様」が訪れます。
クリスマスにはパーティーが開かれます。
神道にも「直会(なおらい)」と言って、祭祀の最後に、神事に参加したもの一同で神酒を戴き神饌を食する行事を行います。
行っている内容や名称は違うものの、共通点があります。
おそらく、自然に対する畏敬の念が込められているのではないでしょうか?
また、根本にある価値観を想像してみるのも面白いと思います。