元来、日本に文字と呼べるものはありませんでした。
日本(やまと)に大陸文化が伝来する以前の、日本列島で話されていた言葉が「大和言葉」と呼ばれており、現在でも大和言葉を引き継いでいます。
その後、漢字が伝来しました。
漢字で和歌などの大和言葉を記す際「波都波流能(はつはるの)」のように日本語の1音1音を漢字の音(または訓)を借りて写すことを行いました。
この表記方式を用いた資料の代表が「万葉集」(8世紀)で、この表記のことを「万葉仮名(まんようがな)」と言います。
さらに「万葉仮名」の字体をより崩した「草仮名(そうがな)」が生まれ、草仮名をより崩した「平仮名(ひらがな)」が誕生しました。
その後、漢文を訓読する際に使っていた「万葉仮名」の一部の字画を省略し付記したものから「片仮名(かたかな)」が生まれます。
また、アルファベットを使い、仮名を転写する「ローマ字」も誕生しています。
現在でも大和言葉を引き継いでおり、そのルールは簡潔に示すと次のとおりです。
- 濁音は強調
「ちち(父)」→「ぢぢ(爺)」
「はは(母)」→「ばば(婆)」 - 語頭に「ら行」音が来ない
語尾に来て、変化などを示す
「ら行」が語頭に来ないので「しりとり」の際に困るわけです。
また、漢字を取り入れたことにより、微妙な意味の差を漢字で表現できるようになりました。
例えば、
「なく」:「泣く」「啼く」「鳴く」
などです。
長い時間をかけて発展してきた日本語、大切にしたいと思いませんか?